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ある日森の中

ただただ適当に

鉄道模型という趣味

横浜に出かけてきた。私が横浜に出かける時は十中八九模型を買うか同人誌を買うかのどちらかであり、今回は前者だった。とはいえ一つの用事だけを済ませて帰るのももったいないのでよく書店に立ち寄る。大体ダイヤモンド地下街の有隣堂ダイエーの中にあるあおい書店だ。

書店に入っても特に見るものがなければ自然と鉄道雑誌のところに足が向くのがオタクの悲しい性である。何人かの先客の間に入って雑誌を手に取る。最近は『鉄道ファン』とか『鉄道ジャーナル』といった実車系雑誌を見なくなり、もっぱら『N』とか『RM MODELS』とか鉄道模型に関する雑誌を開いている。そんな中、今月の『RM MODELS』に気になるコラムが載っていた。

rail.hobidas.com

鉄道趣味の世界ではかなりの知名度を誇る名取紀之氏。上記の記事でも書かれている通り、この度定年を迎え職を辞されるそうである。そんな氏の最後の挨拶が掲載されていたのだ。詳細については実際に手にして見ていただきたいのだが、『RM MODELS』発刊に際しての四方山話と所感が綴られていた。その中で書かれていたのが創刊時に扉に書かれていた言葉についてのものだった。

読んでいて昔ブックオフで偶然置いてあった創刊号を手に取って見てみた時のことを思い出した。「今、楽しんでいますか」という言葉から始まるその創刊の辞は模型趣味に対する一つの投げかけとしては今でも通用しうる重さを持っていた。

鉄道模型は言うまでもなく趣味である。あまつさえ「趣味の王様」という二つ名を持つくらい世界的に親しまれている趣味だ。しかし自戒も含まれるのだが趣味として鉄道模型を「楽しめている」だろうが。趣味というのは底のない深みが延々と広がっていて、上を見ればキリがないほどその道に長けた人たちが存在している。そして複数のメーカーから数え切れないほどの商品が発売されている。出てくる商品をひたすら買いあさる、あるいはディテールアップを極限まで施す。もちろんそういった楽しみ方があるし、没頭することで日々の疲れが癒やされるのは間違いないのだろうか否定されるべくはない。しかしそういうところにあらゆる「しがらみ」が潜んでいて、いつの間にか自分を縛る枷となっているのではないか、とコラムを読んでいて改めて気付かされた。

これを読んだのが模型を買った後、というのがなんとも皮肉ではあるのだけど、気づいてみれば私もこの趣味を始めて10年以上が経過している。単純な数で見ても少なからぬ量を所有している今、自分が本当に「楽しい」のはなんなのかというのと腰を据えて見つめ合ってみるべきなのかもしれない。

だから私は人に模型をすすめるのはQOLを向上させる一プランを提示しているだけなんだよ。悪気はないんだよ。